BACK NUMBER　2009年　11月
安井さち子・ジャズコンサート

11月14日、昨夜来の風雨もあがり、夕刻のライブの頃には夕焼けがきれいな晩秋・茅ケ崎に彼女はやってきた。「my will」、「恋人」そして今回「LIVELY」。CD発売記念も兼ねた3度目のライブである。ベース佐瀬正、ドラムス宇山満隆をバックに一心不乱にピアノに向かうビーナス。私はとても神々しい音の風景をわれわれに見せてくれたと思った。ライブはthe daily newspaperという彼女のオリジナルからはじまった。sweet love of mine、up jumped spring、little love、a night in tunijia、twilight express、the dolphin、venus、prelude to a kiss、skyscrapes、アンコール　you've got a freind　でその日の演奏は終わった。自らのピアノの技量だけでなく、ベース、ドラムスの見せ場をつくる彼女の演奏構成、心憎い。ただものではない。彼女のライブ演奏の根底にあるもの、それはお客様にジャズを楽しんでもらおうというホスピタリティであると思う。そしてそのホスピタリティを感じさせない、お客をぐいぐいさち子ワールドにひここむピアノの技量である。しかし、彼女のライブは、通していつもなごやかにやわらかい空気が流れる。肩の力をぬいて安心して聴ける安井さち子ライブ。来年もぜひギャラリーに呼びたいミュージシャンの一人である。

2009年　11月14日　ハスキー 加藤信吾

↑安井さち子