BACK NUMBER　2011年　4月
伊藤潮　楽士洞トリオ ・ジャズライブリポート

東北地方大震災から一ヶ月が過ぎました。イベント自粛ムードの世間様に反し、ギャラリーでは土曜日　山口尚子リサイタル、日曜日　伊藤潮（ベース）をリーダーに情熱のピアニスト田中裕士 、フルートmiyaによる楽士洞トリオジャズライブ、そして月曜日　歌声喫茶を開催しました。経済も疲弊し、音楽を聴くどころではないという気持ちはわかりますが、自粛したところでお亡くなりになられた犠牲者の皆様が帰ってくるわけではありません。まずは、私たち震災を免れた日本国民が元気を取り戻すこと！普通に仕事をする、そして余暇に音楽を聴く、スポーツができる。そんな日本をつくりませんか？本日のリーダー伊藤潮さんは日本を代表するベーシストであるとともに、ミュージックセラピーで病院のボランティア活動も行っている素晴らしいミュージシャンでした。
演奏の注目曲はギャラリーのお客様が退職記念に自費で製作し、リーダー伊藤潮が編曲したオリジナル曲CD「Lemon blossom」のタイトル曲。私は自らの青春時代を投影し、聴き入ってしまった。私も今年60になる。タイトル曲は「誰しも恋の悩みや、将来への不安など多感な青春時代がある。そんな時代を表現した。」というライナーノートにあるが、そのとおりの美しいベースの響きに感動を覚えた。そして「椰子の実」、この曲フルートmiyaの話では子供の頃おばあちゃんが歌ってくれた曲でいまでも大好きだとか？そして最後に伊藤潮が震災にあわれた東北地方の犠牲者を悼んで演奏したミサ曲「グロリア」。まだまだライブの開催においても震災の影をひきずってはいますが、一歩づつ、一歩づつ、日本は元気を取り戻しつつあると思う。テレビのコマーシャルではないが「大丈夫！日本は強い国！きっと元気になる！」私もライブを聴いててそう思う。

2011年　4月17日　ハスキー 加藤信吾

↑伊藤潮　楽士洞トリオ