演奏はクリティカル・メッセージ、サムタイム・イン・ザ・スノー、そして利根、ザ・モスト・デンジャラス・ゾーン等、メンバー全員のオリジナルやノスタルジア、スター・ダスト等、スタンダードを15分の休憩を挟んで、2ステージ。

上村信(カミムラと読む)のベースからくりだされる正確なビートに併せ、甘いマスクと確かなテクニック、「王子」こと石井彰の美しいピアノ、アルトの名手、多田誠司のエモーショナルなサックス、大坂昌彦の先手観音なみの手練のドラムさばきでTHE MOSTの演奏は聴くものを圧倒する。

演奏タイトルどおり、まさに観客をデンジャラス・ゾーンに誘い込む。その光景はさながら、私が幼き日、長蛇の列で見た、映画「モスラ」のようだった。ゴジラに破壊された日本の危機を救うため、ゴジラとの壮絶な戦いに挑むため、はるかイースター島から海を越えてやってたモスラ、THE MOSTメンバーの演奏は、そんな映画「THE MOSURA」に似て神々しかった。

近々、THE MOSTは2枚目のアルバムをリリースする予定のようだが、その演奏は、幼虫モスラが東京タワーで、さなぎから、蝶（蛾？）と変態（Hじゃないよ！）するがごとく、確実に進化した演奏が聴けるに違いないと確信した。

2002年　2月　17日　ハスキー 加藤信吾