BACK NUMBER　2007年　6月
太田剣　ジャズ・コンサート

アルトのスター・プレイヤー不在の昨今、J-JAZZで最も輝いているサックス奏者　太田剣、その標号どおり熱のこもったコンサートであった。バッキングも村井秀清（P）鳥越啓介（B）大槻“カルタ”英宣（DS）と気心の知れたユニットは、アコースティックでスイング感あふれる彼の音楽を100パーセントひきだすライブを創造し、さすがアルトの貴公子！といわしめた。演奏曲は彼のCD「SWINGROOVE」の中から「THE DAYS OF WINE AND ROSES」、タイトル曲 「SWINGROOVE」、平井堅さんの「思いがかさなる　そのまえに」、ろうろうとソブラノのソロを吹く太田剣は、まさに、平井堅の歌声にもにたり！そしてオリジナルの「プランツ・オブ・ストーンズ」、「オン・デイズ・リック」、この曲、ジャズ・トランペッターの巨匠デイジー・ガレスビーの「マンテカ」をイメージして太田剣が作曲した曲だが、大槻のビートのきいたリズムに太田のアルトが乗ると、まさにノリ・ノリ。またまだ曲の名前をつけていない「ニュー・ソング」、そしてオネット・コールマンの「ブナ・マイ・ボニータ」でみせた村井の情緒あふれるピアノ、そして鳥越のベースもよかったよ。満足そしてアンコールは「ジャスト・イン・タイム」でライブは終了した。おしむらくは、残念なことに彼がCDを2枚しかもってこなかったことかな。お客さんに「CDないの？」って何回聞かれたことか。それだけすごいライブだったと思っている今日この頃です。

2007年　6月3日　ハスキー 加藤信吾

↑太田剣